女子第24回大会の記事

立命館宇治 最多優勝回数トップタイ

1位でフィニッシュする立命館宇治の青木選手
1位でフィニッシュする立命館宇治の青木選手

立命館宇治(京都)が5年ぶりの制覇で大会最多タイ3回目の優勝を飾った。タイムは大会歴代5位の1時間7分22秒だった。

女子レース経過

立命館宇治が最終5区で豊川を逆転した。区間賞はなく、2区でトップに16秒差の3位と序盤は遅れたが、3区の池内が1位豊川と3秒差の2位に上げた。4区の広田も豊川に離されず、アンカー青木が中継所から約2キロで豊川・堀を抜いて最後は24秒差を付けて圧勝した。連覇を狙った豊川は3区の鷲見が区間新の好走を見せてトップに立ち、4区も首位を守ったが、逃げ切れなかった。2区までに1位と25秒差を付けられたことも響いた。

■ レース評

総合力の高さ示す

5区2キロ付近、豊川の堀を追い抜く立命館宇治の青木
5区2キロ付近、豊川の堀を追い抜く立命館宇治の青木

3回目の優勝を誇示するかのように、3本の指を立てた右手を高々と掲げた立命館宇治の青木。フィニッシュテープを切った時、涙があふれた。「みんなの優勝したいという気持ちがつながった」。これまで苦い思いを味わい続けてきたが、5人全員が区間7位以内と高い総合力を見せ、遠かった頂点にようやく上り詰めた。

盤石のレース運びだった。3区を終えてトップから3秒差の2位という展開は、「3区でトップに立つ」という荻野監督のほぼプラン通り。4区・広田は先頭の豊川・関根に並んだ後、終盤に再び離された。それでも懸命に食い下がって4秒差でアンカー勝負に持ち込んだ。

昨年も5区を走った青木だったが、「前半に突っ込みすぎた」ために、追い上げきれずにチームは5位。だが、この日は「自分のペースで行って、中間点くらいまでにつかまえる」と冷静だった。胸を張って腕を勢いよく振るフォームで淡々と走り、狙い通りに豊川の堀をかわした。

大黒柱の菅野、池内、青木は1年の時から大会出場を続けるが、10年は6位、11年は5位。だからこそ今年に懸ける思いは強かった。地元の利点を生かし11月以降に試走を重ねたほか、過去に優勝したときのビデオも約20回見て、走るイメージをたたき込んだ。

昨年の豊川に続き、女子で史上2度目の区間賞なしでの優勝となったが、主将の菅野は「チームとしては120点の出来」。これまで悔し涙を流し続けてきた場で、最後は笑顔を見せた。

【細谷拓海】