男子第2回大会の記事
世羅が2連覇
2連覇のテープを切る世羅・岡河=毎日新聞社大阪本社前で |
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前年不参加だった山梨県から出場し、米軍政下の沖縄を除く46都道府県代表が勢ぞろいして全国大会としての形が整った。
激しい雨の中、スタートしたレースは前年優勝の世羅が1区21位と出遅れる波乱含みの展開。しかし、着実に順位を上げた世羅は5区で飾磨工を抜いて首位を奪うと、6区も区間賞の走りで小田原城東以下を抑えて2連覇。世羅はインターハイと高校駅伝の夏冬制覇を成し遂げた。世羅が昨年のタイムを2分以上縮めたのをはじめ、5位までが大会新記録をマークした。
■ レース評
有力校軒並み出遅れ
1区は2キロ付近から積極的に飛ばす選手が目立ち、西海学園の久保が前年の区間記録を20秒上回る16分8秒で制した。加茂、白河、小田原城東が続いたが、世羅がトップから56秒差の21位になったのをはじめ、高鍋が15位、宗像が20位、中京商44位と有力校の出足の悪さが目立った。2区で小田原城東が先頭に立ち、世羅は田中の15人抜きで6位に浮上した。3区で飾磨工が首位を奪って4区へ入ると、4位だった世羅は2本柱の一人、谷敷の快走で飾磨工に21秒、約105メートル差の2位に詰め寄った。世羅は5区で飾磨工の失速に乗じて、土居が難なくかわして初めてトップに。飾磨工は小田原城東にも抜かれて3位に落ちた。6区では世羅のエース・岡河が5キロ15分59秒で2年連続の区間賞に輝き2連覇に花を添えた。2位に小田原城東、3位に飾磨工が入り、深志定時制の7位も光った。
実力一段と向上
降雨にもかかわらず、第1回に比べて各チームとも非常に充実、まず第1区に西海学園加茂が昨年の区間記録を更新する好調ぶりで優勝候補の随一、世羅がようやく21位。しかも第4区谷敷の快調をもってしてもなおトップを奪い得ぬ劣勢から予想を覆すことも思われたが、第5区土居がトップに立ち、アンカー岡河の15分台のスピードによって世羅は輝く2連覇の偉業を達成した。
しかも、激しい降雨にもかかわらず、昨年の大会記録を2分以上も更新したことは昨年来の猛練習による実力であることはもちろん、自己のペースを各走者ともよく守り抜いたことによるものと思われる。とにかくわずか300名の男子生徒しか持ち合わせぬ世羅が本大会を目指し、5年計画を完全に果たした内海監督には選手以上の称賛の言葉を贈りたい。なお降りしきる雨をおかして優秀とされた昨年の大会記録を更新出来たことは予想以上に高校中距離界の実力が伸びてきたことを示す。
【村杜 講平】◎ トピックス
出遅れ大逆転
全国都道府県の精鋭たちが雨中をついて一斉にスタートした |
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1区21位の世羅の出遅れは、優勝校の1区最悪順位として今も残っている。生前、内海監督は「谷敷と岡河が控えているので、心配はなかったが、現在の変化に富んだ区間設定では、とても勝てなかった」と話しており、実力が接近した現在では至難の大逆転といえる。2区の田中が一気に15人を抜き、3区の鍛冶谷、4区の谷敷が区間2位の走りで順位を押し上げ、5区の土居でトップに。アンカー岡河は5キロ15分台の快走で締めくくった。世羅は第1回大会でも1区19位から優勝しており、これも優勝校としては歴代2位の悪い順位だった。
7校が初入賞
大阪・今宮高校前の第一関門。雨の中で第1走者のタスキを待つ第2走者たち |
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優勝こそ前年同様、世羅がなし遂げたが、入賞校の顔ぶれは大きく変わった。
6人中5人が区間10位以内堅実な走りをみせた小田原城東、3区で吉田が区間賞に輝いた飾磨工をはじめ、5位土浦市立、6位川越、7位深志定時制、8位宗像、9位加世田農と7校が初入賞を果たした。一方で前回2位の金足農が1区41位の出遅れが響いて30位に終わるなど、安定した力を発揮することの難しさを示した。