男子第6回大会の記事
飾磨工に初の栄冠
一位飾磨工(藤野)のゴールイン |
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クリスマス気分の中、スポーツファンの注目を集めて行われた大会は、毎日新聞社前で数千の観衆が見守り、一切の交通機関が停止され一瞬静寂が漂う中をスタート。飾磨工と世羅が激しいトップ争いを展開。4区で首位に立った出場5回目の飾磨工が逃げきり、2時間17分52秒で念願の初優勝を果たした。
毎日新聞講堂で行われた閉会式では成績発表の後、文部大臣杯が全国高体連会長、優勝旗が南部忠平・毎日新聞運動部長から、飾磨工の柳井主将、藤野選手にそれぞれ贈られた。
■ レース評
世羅4区で力尽きる
毎日新聞本社前スタート |
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スタートから2キロの四ツ橋あたりから崩れはじめた集団から、日野(常盤)、南館(福岡)が飛び出したが、やがて南館が先行。日野、吉岡(日大二)、柳井(飾磨工)、金行(世羅)が続き、7キロ過ぎから金行が南館を追って出た。
2区に入り七川(世羅)が、古舘(福岡)を抜いて首位に立ち、中継点近くで多田(飾磨工)も古舘を抜いて2位に上がった。3区に入ると2位以下は日大二、飾磨工、橋本、玉名、小林と大きく順位が変わって折り返し。4区、法野(世羅)が快調なペースで独走するかに見えた。しかし、藤巻(日大二)、藤谷(飾磨工)が2位争いをしながらトップに迫り、中継点1キロ手前でついに藤谷が法野に並んだ。二度、三度と首位を奪いあった後、法野はついに力尽きて首位を譲った。これで勢いづいた飾磨工は、5区福原が区間賞、6区岸本も快走し、アンカー藤野が降り始めた冷雨の中を独走。そのままゴールに飛び込んだ。折り返し6位の小林は、4、5、6区で1人ずつ抜いて3位に上がり、玉名が7区で日大二をかわし4位に入った。
◎ トピックス
1年生が1区を制す
「花の1区」を史上初めて1年生ランナーが制した。南館(福岡)は、3キロ過ぎで形成された5人の先頭集団に加わると上下動の少ない見事なフォームで先頭を切り、残り1キロで柳井(飾磨工)、吉岡(日大二)らを引き離した。区間新こそ作れなかったが、これは強い向かい風によるもの。第3回大会で藤井(宇部)が31分37秒の記録を作った時のように追い風を受けていれば31分そこそこの記録も可能だった。今後にかかる期待は誠に大きい。
1年生5人で3位
小林は1区で19位と出遅れ、トップとは2分近い大差。上位進出は絶望的かと思われたが、2区右田、3区永久井がいずれも区間3位に食い込む好走で盛り返し、終わってみれば3位入賞を果たした。力を出し切れなかったものの1区を走った黒仁田ら5人が1年生という若いチーム。霧島山麓で鍛え、全員が5,000メートル16分台で走る底力には確かなものがあり、その強さは次回が楽しみだ。
初の1ケタ順位
第1回大会から唯一の6年連続出場を果たした郡山は、予想を上回る9位に進出。3区の宮本が区間7位と頑張って8人を抜いて8位に順位を上げ、4、6区では7位まで浮上した。アンカーの中田は、2つ順位を落としながらもなんとかゴールイン。昨年より県予選記録を1分近く短縮して期待されていたが、チームワークの良さで初の1ケタ順位を勝ち取ったのは大きな喜びといえよう。
記録
南館正行が31分54秒の記録で達成した。