男子第7回大会の記事
常磐初優勝
初優勝のテープを切る、常磐・川崎 |
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今年の陸上界の最後を締めくくる大会は、常磐と盈進商が高校駅伝の歴史に残るであろうデッドヒートを展開。ゴール20メートル手前で常盤の川崎が、盈進商の広岡をかわしてゴールイン。2時間16分57秒の好記録で初の優勝を遂げた。2位となった盈進商との差はわずかに2秒だった。
毎日新聞大阪本社講堂で行われた閉会式では成績発表の後、文部大臣杯が小松全国高体連会長、優勝旗が田中毎日新聞事業部長から、優勝した常磐・日野主将に授与され、全国の駅伝ファンの注目を集めた大会はここに幕を閉じた。
■ レース評
3区間で大会新記録
毎日新聞本社前スタート |
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1区は、昨年1年生ながら区間賞を獲得した南館(福岡)が予想通り、3キロ付近から抜け出した。渡辺(玉名)が必死に食い下がったものの、中継点近くのスパートで振り切り31分25秒で2年連続区間賞。1秒差で続いた渡辺とともに区間記録を4年ぶりに更新した。2区に入ると池本(玉名)の不振もあって、玉懸(福岡)が2位との差を広げた。1区で15位と出遅れた常盤は、渡辺の区間新記録の快走で一気に順位を3位まで上げた。宮崎大宮鶴崎が続き、盈進商も鼓のがんばりで6位で中継点へ。3区で盈進商は繁原が区間新記録の快走で4人を抜いて一気に2位まで順位を上げた。常磐の内田屋も粘って3位に。4区で日野(常盤)、牧(盈進商)が猛烈と吉田(福岡)を追い5区中継点前でついに日野が吉田を抜いた。5区で盈進商が2位に上がり7区には常磐と盈進商が同タイムで中継した。2校にしぼられた優勝争いは、7区もデッドヒート。ゴール20メートル手前で川崎(常盤)が広岡(盈進商)に先行し、そのまま初優勝のテープを切った。後半粘った福岡が3位。小田原城東、宮崎大宮が続き、近大付が大阪勢として初入賞の6位となった。
◎ トピックス
惜しまれる最終区
[32]盈進商・広岡、[40]常盤・川崎のせり合い=立売堀付近 |
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盈進商は優勝候補の前評判どおり堂々のレースぶりだったが、優勝にあと一歩及ばなかった。
惜しまれるのはアンカーの広岡。記録では常磐のアンカー川崎をかなり上回っていたがレース前、インフルエンザにかかり力を出し切れなかった。「負けたのは残念だが、広岡はよく走った。今回の経験を生かし、優勝できるチームをいつか作る」と渡辺監督。見事な戦いぶりに悔いはなさそうだった。
寒冷地チーム躍進
前年19位の福岡が3位に躍進した。1区の南館が期待通りの走りで2年連続の区間賞を獲得しただけでなく、今年は3区沖野、4区吉田が10,000メートル31分台の力をつけてワンマンチームから完全に脱却。折り返し点まで首位を保ち、見違えるような成長を見せた。寒冷地でトレーニングに事欠く地域からの上位進出は驚くほかなく、その健闘ぶりは優勝校にも劣らなかった。
記録
1区の南館正行(福岡)が31分25秒、2区の渡辺文夫(常盤)が9分13秒、3区の繁原一裕(盈進商)が26分1秒で達成した。