男子第14回大会の記事

【「全国高等学校駅伝競走大会 50年史」(全国高等学校駅伝競走大会実行委員会・2000年5月発刊)より抜粋】

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中京商、悲願の初優勝

ゴールインした中京商のアンカー山口
ゴールインした中京商のアンカー山口

東京五輪を翌年に控え、各地の予選で2時間20分を突破して出場を決めたチームが実に29チームと、かつてないハイレベルの大会となった。

予選記録トップの盈進、連覇を狙う大濠、磐田農、小林ら居並ぶ強豪の中から、中京商が大会記録を破る2時間12分46秒6をマークしてゴール。出場12回目で悲願の初優勝を果たした。過去、九州勢、中国勢、近畿勢に占められていた優勝旗は、初めて鈴鹿峠を越え、東へと運ばれた。

■ レース評

室田(中京)作戦勝ち

一団となって金岡公園のゲートを出る1区の選手たち
一団となって金岡公園のゲートを出る1区の選手たち

第1区で、藤田(大濠、30分0秒)を先頭に、佐々木(鳥栖工、30分3秒)、白井(中京商30分4秒)が、29分台に迫る快記録を生んだ。さらに4位の鈴木(矢板)までが区間新と最近の高校選手が10キロくらいの距離を問題とせず走り込んだ成果が存分に発揮された。

3位で第2区につないだ中京商は田中が区間賞を奪う力走で大濠・森山と競り合う。中継点前で森山を交わしたがほとんど差はない。

どんづる峰に掛かる峠道の第3区。中京商の室田は上りこう配で勝負に出た。作戦は的中。尾石との差はぐんぐん開いて折り返し点の第4区へ。第3区中継点でわずか1秒だった大濠との差を32秒に広げ、勝利を決定付けた。

コース復路となる第4区以降、中京商は第4区で後藤、第6区で成瀬が区間賞を奪うなどじりじりと大濠に差をつけ、完全な独走態勢でゴール。大会記録を一気に30秒余り縮め、初の2時間12分台となる大会新記録を打ち立てた。2位の大濠は、前回の自らの優勝記録を上回りながらの惜敗。

◎ トピックス

不心得な車に手焼く

選手が折り返し点を過ぎてからは、自動車、沿道の観衆が増え、交通整理のおまわりさんはきりきり舞い。アンカーのトップを切って力走する山口(中京商)と、約200メートル遅れた2位白浜(大濠)の間をジクザグ行進する不心得な相乗りオートバイや、選手のすぐそばをフルスピードで走り過ぎる家族連れのドライブ車があって、白バイの巡査からきついお目玉を食った。