男子第15回大会の記事
新コースで盈進初優勝
テープを切る盈進アンカー・石田 |
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東京五輪の余韻の中、「アベベに負けるな」を合言葉にした大会は、新たに長居陸上競技場付設マラソンコースに会場を移して行われた。
記念大会のため、出場チームは地区代表11を加えた57チーム。スタート直後の接戦から2区で盈進がトップ。3区では大濠が大きく進出して2位に上がり、優勝争いは両チームに絞られた。盈進がじりじり引き離して大会新記録で初優勝。「駅伝王国・広島復活」を果たした。
■ レース評
福岡大大濠の追走及ばず
長居陸上競技場をスタートする各校選手 |
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下馬評では大濠、盈進、中京商がベスト3。第1区は、ここを勝負どころと見込んだ秋田工が、インターハイ5,000メートル優勝の中川を起用。先制策が図に当たり、中川はスタートから飛び出して5キロ14分59秒のラップで通過。続いて相馬農、金足農の東北勢に優勝候補の盈進で第1グループを形成、やや遅れて福岡農、磐田農、中京商、撫養の一団がこれを追う。有力候補の大濠は期待の森山が振るわず、第1区は14位で終わる誤算。
大正橋―東阪田8キロ余の第3区は、第1区に劣らぬ勝負どころ。16キロ地点までは、大濠、秋田工、金足農、相馬農、中京商と続く先頭グループの顔ぶれに変わりはなかったが盈進の蓮池はじりじりと引き離し、2位以下に150メートルの差をつけて独走態勢を固める。ところが、第2グループにいた大濠が次第に優勝候補の本領を発揮。タスキを受け継いだときには11位だった大濠の森本は素晴らしい脚力で8人をごぼう抜き。17キロあたりで一気に2位にのし上がった。
第4区に入っても1位・盈進と2位・大濠の約200メートルの差はなかなか縮まらない。西海学園、金足農、中京商、葺合がひしめく第2グループは、2位・大濠に100メートル余りの差をつけられ、優勝戦線割り込みは望み薄。
第5区から第6区に掛かっても、盈進、大濠の差は開くばかり。第7区中継点まで約2キロで450メートル差とし、盈進は初優勝目指してまっしぐら。福岡農が3位に進出。葺合、西海学園、中京商に続いて九州の名門・小林が7位に食い込み、金足農は8位に落ちた。
◎ トピックス
孫基禎さんも観戦
スタート前、ベルリン・オリンピックのマラソン優勝者・孫基禎さんが競技場に現れて、旧知の陸連関係者たちを喜ばせた。孫さんは現在、韓国陸上競技連盟会長。東京オリンピックで来日以来、夫人が神戸医大病院で療養中とのことだが、来年早々には帰国するという。
他種目の選手も
今年の大会にはフィールドの選手がかなりいた。棒高跳びの藤原(秋田工)、三段跳びの小桶(武生)、砲丸投げの酒井(同)、やり投げの境原(相馬農)らだ。秋田工は今年9月、全部員に18種目のテストをしたところ、藤原が中距離に非凡な一面を見せたので、急いで駅伝要員に加えた。また、横浜の久宗(1年)は、鶴見中時代、神奈川県内の陸上2,000メートルと水泳400メートル自由形に入賞した経歴の持ち主だ。