男子第19回大会の記事
小林史上初の4度目V
小林のアンカー奥正がテープを切る |
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微風薄曇りの好コンディションに恵まれ、小林が2時間11分0秒で7年ぶり、史上最多の4回目の優勝を飾った。
予想された強豪チームが2区から3区にかけて先頭集団に出そろい、近年まれな激しいつぶし合いとなったが、小林は1区の出遅れを2区迫の快走でたちまち取り戻し、3区奥田、4区鰺坂の中盤が決定的リードを奪って後半都大路を独走、アンカー奥が2位に約300メートルの差をつけてゴールインした。2位は福岡大大濠、3位は世羅。3連覇を目指した中京は4位に甘んじた。
■ レース評
奥田が一気に離す
3区の17キロ付近で小林の奥田がトップをうばい独走態勢に入る(後方は左から福岡大大濠[40]中京[17]磐田農[16]の各選手) |
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1区は30分台が7人。30分20秒の磐田農・犬塚以下、鳥栖工、田村、金足農など上位に本命視された学校はない。5位世羅、6位大濠。12位中京。小林は13位で首位に1分以上遅れた。
スピードランナーが多い2区。中間すぎに大濠、世羅が磐田農を射程内にとらえた。7区の区間記録を持つ小林・迫は8分37秒の区間新で6人抜き。中京の清水も秒遅れの新記録。帯状だった戦況が再び集団に。
3区は大濠が1キロで磐田農をとらえた後、中京、小林、世羅と鳥栖工の6校で一団を形成。3.5キロの金閣寺前で世羅と鳥栖工が遅れ、小林・奥田が揺さぶった。中京・尾崎が急に遅れ、鳥栖工、金足農にも抜かれ8位に転落、3連覇の望みはほぼ消えた。鳥栖工・三原が2位だが4区に渡す時は小林との差は23秒、100メートル余りに。
小林の4区鰺坂は2位に59秒差、約300メートルと広げた。2位争いは変転極まりなく、4区で磐田農、5区で大濠。今年は格段にレベルアップを印象づけた。最下位校が首位小林からわずか12分余りで帰り着いたのは20年近い大会史上初。目まぐるしい前半のレース展開と、下位の充実が大収穫だった。
◎ トピックス
2区間記録保持者に
2区で8分37秒0の区間最高をマークした迫(小林)は前年7区を走り、14分48秒0の区間最高を出している。この大会で二つの区間最高記録保持者となった訳で、大会始まって以来の快挙でもある。「3,000より5,000の方が好きなので、本当は今年も7区が走りたかった。しかし2区のこれまでの記録が8分43秒だから、これは破ってやろうと思っていました」とニッコリ笑う迫は富士製鉄=当時=に就職が決まっている。「来年のプログラムには僕の名前が区間記録保持者として2ヵ所に載るのですね」とうれしそうだった。
洛北路にコース変更
3年目となった都大路開催では、過去2年間に使用した西京極マラソンコースから大幅にコースが変更された。国道1号の交通渋滞が限界に近くなったため、従来は洛南へ走った2区途中から洛北へ向かい、「世界3番目の国際会議場」として1966年に完工、古都の新名所となった国立京都国際会館前を折り返す42.195キロとした。沿道は史跡、名勝が旧コース以上に多く、選手にはやや苦しそうな起伏がレースにアクセントをつけた。コース名は「西京極陸上競技場併設第2マラソンコース」になった。