男子第23回大会の記事
世羅、21年ぶり優勝
1位でゆうゆうゴールインする世羅のアンカー、谷川 |
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21年の苦節を乗り越えて世羅が第2回大会以来3度目の優勝を遂げた。特別参加の大聖(韓国)を加えた47チーム(沖縄県代表は棄権)が出場したレースは、3区で遠来の大聖が先頭に立ったが、2、3区にかけて世羅、中津商、萩、熊本工などが優勝候補の小林をめぐって激しく争った。
世羅は4区で小山が4人抜き、そのまま2位に200メートル余りの差をつけて優勝へのクサビを打った。終盤は“勝つレース”に徹し、2時間12分59秒でアンカー谷川和が競技場のテープを切った。2位は昨年優勝の中津商、3位熊本工となり、小林は6位に甘んじた。
■ レース評
新鋭・小山が快走
選手一団となって、西京極競技場をスタート |
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4区は、世羅の小山が小林の弓削を追い5位で飛び出した。すぐに弓削をとらえ、折り返し点を過ぎ国際会館内の敷地内を回ってきた時、トップに立っていた。小山は軽快なピッチ、すり足フォームにも無理がなく、ロードにはうってつけの走法でじりじりと距離をあけた。
1区では予想どおり上伊那農の伊藤が快調に飛ばした。3年連続同じ区間を走る伊藤は自信たっぷりで、5キロを14分55秒の早いペース。これを東北・大久保が追い、大牟田、鎮西学院などが続いた。
世羅は2区の松金が態勢を立て直し、3区では谷川良が中京・大崎と4位を競り合い、完全にペースを取り戻した。谷川良にとっては目の前を行く鹿児島実、熊本工、特別参加の大聖との隔たりは完全な射程内。4区で決定づけた世羅のトップは、5区に入ると一層の安定度を増した。
中津商は1区から好位置を守り、熊本工は積極的なレースでスタートから先頭を捕えて離さなかった。萩も4区・土山のがんばりで浮上した。オープン参加ながら3区をトップで通した大聖の健闘はたたえられる。
◎ トピックス
4、5区で区間新
4、5区で区間新記録が作られた。4区は世羅の小山英士。「目標は25分ちょっとのつもりだったが、調子がすごくよかったので中盤からはいけると思った」。この1年生の力走は世羅優勝の大きな原動力になった。5区(3,000メートル)で8分22秒の区間新を出したのが浅井利雄(新潟・小出)。「ふだん9分40秒くらいで走るのですが……」と好成績に自分でもびっくり。
大聖、健脚を披露
オープン参加の韓国・大聖が健脚を披露した。3区で金永冠がトップに躍り出ると大会役員車に乗った金寛羽団長の顔が思わずほころぶ。しかし折り返し点を過ぎて首位から後退し、結局、6番目にテープを切った。「3位ぐらいには入れると思った」という金団長は“6位”に不本意な表情。「これらの若い選手をトラックでみっちり鍛えてスピードを養い、将来はマラソンの選手に育てたい」と韓国陸上界のビジョンを語っていた。