男子第34回大会の記事

【「全国高等学校駅伝競走大会 50年史」(全国高等学校駅伝競走大会実行委員会・2000年5月発刊)より抜粋】

現在の校名・旧校名一覧

報徳学園が快記録でV

1位でゴールインした報徳学園のアンカー岡川
1位でゴールインした報徳学園のアンカー岡川

報徳学園が1区からトップを走り続け、全国高校、大会最高記録を塗り替える2時間7分4秒で2年ぶり2回目の優勝を果たした。西京極陸上競技場が改修工事中のため、発着点と一部区間が変更された今大会。2位・秋田中央が2時間7分25秒、3位・世羅も2時間7分30秒と3位までが全国高校、大会最高記録というハイレベルなレースだった。

兵庫県勢は一昨年の報徳学園、昨年の西脇工に続く3連覇で、同県勢の3連覇は史上初。1区から一度も首位を譲らなかったのは第27回大会の大牟田以来で史上6校目。最下位チームが2時間20分を切ったのは大会史上初で、全国的なレベルアップを証明した。

■ レース評

若さ爆発、報徳完全V

1区8キロ付近でスパートする報徳学園・平山(先頭)
1区8キロ付近でスパートする報徳学園・平山(先頭)

報徳学園が目標通りの先行逃げ切りで独走した。1区は5キロ過ぎまで相手の出方をうかがいながら約20人が先頭集団を作った。5.8キロで報徳学園・平山がトップに出てややピッチを上げると、集団がばらつきだしたが、約10人が食いつき、7キロからの上り坂へ。ここで平山がスパートをかけると、世羅・工藤がズルズル後退。東農大二・三木らが追ったが、平山は約20メートルの差をつけ2区へ。優勝候補の一角・埼玉栄は大ブレーキ、平山に350メートルも離され、福岡大大濠も出遅れた。

報徳学園は2区・石本が快走。愛工大名電が2位に上がり、東農大二、世羅が追いかける。少し遅れて秋田中央も粘る。前半のヤマ場3区でも、報徳学園のピッチは変わらず、50メートル遅れて愛工大名電、さらに50メートル後方に秋田中央と世羅。東農大二は遅れ、4区になると愛工大名電に代わり秋田中央と世羅が浮上した。

しかし、調子づいた報徳学園は足がよく伸び、終始落ち着いた走法。後続の2校も必死で追いかけたが、差を詰められないままゴールインした。

◎ トピックス

記録

全国高校最高記録、大会最高記録

報徳学園=2時間7分4秒、秋田中央=2時間7分25秒、世羅=2時間7分30秒=の3校が達成。従来の記録は、全国高校最高が1981年の九州大会で福岡大大濠がマークした2時間7分57秒、大会記録は第25回大会(1974年)の世羅の2時間8分40秒。


区間新記録

4区・岩本真弥(世羅)が24分3秒で達成。