男子第45回大会の記事
西脇工 最高V
高校最高記録で優勝した西脇工のアンカー前田 |
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記念大会として58校が参加した第45回大会は、西脇工が2時間3分21秒の高校最高記録で2年ぶり4回目の優勝を果たした。西脇工は5区で仙台育英を抜いてトップに立ち、5人が区間賞を獲得して、第40回大会で報徳学園がマークした2時間4分49秒を大幅に更新し、初めて「夢の3分台」に突入した。
仙台育英も1、3区で区間新を出して2位と昨年の覇者の意地をみせた。5年ぶり出場の報徳学園が3位。また仙台育英の1区のダニエル・ジェンガは2年前の3区、昨年の1区に続いて史上初の3年連続区間賞を獲得した。
■ レース評
西脇工が大逆転
総合力で上回る西脇工が、中盤まで仙台育英に大差をつけられながらも、着実な追い上げで逆転した。1区は仙台育英・ジェンガの独壇場。3キロ付近で集団を抜け出し、強いキック力を生かした走りで差を広げ、区間記録を19年ぶりに32秒も更新した。2位には40秒差で浜松商。倉敷、大牟田、西脇工がこれに小差で続いた。
西脇工は2区で2位に浮上。3区の小島はいったん4位に下がったが、2キロを過ぎてからペースアップ。5キロ付近で再び2位となり、3位に32秒差をつけた。だがトップの仙台育英・マイタイは区間新。西脇工との差は1分18秒になった。
しかし4区は西脇工・木庭がリズミカルな走りで追い上げ、仙台育英は後半にペースが落ちて8秒差に接近。5区で西脇工・芳養(はや)が2.5キロ付近でトップを奪った。6区・岡田が独走態勢を築き、7区・前田の区間新の快走で締めくくった。
仙台育英も前回の優勝記録を34秒縮める好タイム。1区で15位と出遅れた報徳学園は後半の追い上げで3位。県予選の記録を4分以上更新して4位に入った田村の健闘も光った。
◎ トピックス
史上初の3年連続区間賞 ダニエル・ジェンガ 仙台育英3年
区間記録を塗り替える快走を見せた仙台育英の1区・ジェンガ |
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昨年と同じ1区。初めは先頭集団に交じって抑え気味。本領を発揮したのは3キロを過ぎてからだ。トップに躍り出ると、大きなストライドの力強い走りで後続との差を一気に広げた。
28分57秒。第26回大会で西村義弘(大分・鶴崎工―新日鉄大分)がつくった29分29秒の区間記録を19年ぶりに塗り替えた。序盤がスローペース、しかも、後半が上り坂になる難しいコースで初めての28分台。日本選手権の3,000メートル障害物でジュニア世界記録を樹立した脚力を、いかんなく見せつけ、史上初の3年連続区間賞を獲得した。
ジョン・マイタイらとともにケニアから留学して今年が最終学年。「人間的にも素晴らしい」(二階堂勉監督)と主将を任された。高校長距離界のレベルアップに「お手伝いできたと思いますよ」との自負も込めて、「日本へ来て本当によかった」と3年間の高校生活を振り返った。
卒業後はマイタイらと流通経済大に進学し、日本で学びつづける。「ケニアには困っている人たちがたくさんいる。将来はその人たちを助けてあげたい。自分のためではなく、いろいろな人のために」。タスキにつないだ信頼と感謝の気持ちで、夢の実現を目指す。
留学生の出場枠を制限
95年7月に開かれた全国高校駅伝の実行委員会で、男子第46回、女子第7回大会から、外国人留学生の出場について、男女ともエントリー2人、出場1人とする参加制限を大会要項に新設することが決まった。94年11月、全国高体連が外国人留学生の高校総体出場について、「おおむねエントリー数の20%前後を原則とする」などの内規改正を決めたことを受けての措置。5人が走る女子は留学生枠1人がちょうど20%にあたり、7人が走る男子は2人の出場を認めると、全距離の半分近い約18キロを走ることが可能になるため、1人の出場に落ちついた。