男子第53回大会の記事
西脇工最多の8度目V
8回目優勝のゴールテープを切る西脇工のアンカー阿江 |
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西脇工が4年ぶり、単独で最多となる8回目の優勝を果たした。西脇工は、区間賞ゼロながら7人全員が区間5位以内に入る総合力で、小林と並んでいた最多優勝回数を単独トップの8とした。1区で16、19位と出遅れた白石、大牟田の九州勢は必死の追い上げで2、3位。連覇を狙った仙台育英は、ケニア人留学生が10年連続で1区の区間賞を獲得したが、6位に終わった。
■ レース評
出遅れ大牟田 猛追3位
3区で先頭に立った西脇工が、堅実にリードを守り切った。序盤は、1区でワンジルが飛び出した仙台育英が引っ張った。48秒差をつけられた西脇工は、2区で西川が急追し、28秒差の2位に。3区の稲垣は5キロ過ぎの上りで先頭を捕らえ、同じく追い上げた佐久長聖・佐藤との激しい競り合いを制してトップに立つと、その後は各区とも安定した走りを見せた。
白石は4区・高井が区間新の力走で7人を抜き去って2位に浮上。アンカー田上は9秒差まで詰め寄った。予選タイム1位の大牟田は1区でエース土橋が出遅れたが、いずれも区間賞の2区・伊達、6区・林らが追い上げて3位。前回20位の洛南、同15位の倉敷は4、5位と健闘した。仙台育英は2区以降が振るわず、6位に終わった。
西脇工 風を読む - 全員冷静 逃げ切る
男子3区 仙台育英の佐藤秀(左)を抜いてトップに立った西脇工の稲垣(中央)。右は追走する佐久長聖の佐藤 |
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西脇工が“駅伝の真髄”を見せつけた。その強さの理由を、主将の西川は「チーム全員が精神的に落ち着いているから」と説明する。一昨年は優勝候補筆頭と呼ばれたことで力み過ぎ、14位と低迷した。昨年は大会直前にエースが故障、動揺したままレースに臨んで3位に終わった。
「だから自分が3年になってからは、補欠を含めて『チーム一丸』となれる雰囲気作りを大切にした。雰囲気が良ければ、どんな時でも力を出せると思うから」と西川。状況にかかわらず実力を発揮できる安定感こそが、駅伝には必要と気付いたのだ。
そして迎えた今大会。選手たちは持てる力を冷静に出し切った。1区に抜てきされた2年生・北村は、留学生3人のハイペースに惑わされず、日本人中2位と役割を果たした。3人抜きの2区・西川から2位でたすきを受けた3区・稲垣は、今月初めに胃腸炎を起こすなど体調は万全ではなかったが、競争相手やレース車両を風よけに使う巧みなレース運びで首位を奪った。
さらに4区・藤原が差を広げると、5区以降は安定してリードを保ち、危なげなくゴールテープを切った。
終わってみれば、区間賞は一人もなし。しかし7人全員が区間5位以内で、歴代6位の好記録を残した。まさに総合力の勝利。渡辺監督は満面の笑みで言った。「会心のレースでした」
【神保 忠弘】◎ トピックス
ワンジル1区制す
男子1区 2キロ付近でレースを引っ張る留学生の仙台育英・ワンジル(右から2人目)と山梨学院大付・モグス |
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1年生のケニア人留学生・ワンジルが1区区間賞で貯金を作った仙台育英だったが、後続が粘れず6位に沈み、連覇はならなかった。昨年3区で区間4位だった清野を今年の1区候補としてチーム作りをしてきたが、その日本人エースを、左足に力が入らない神経性の故障が襲った。練習を再開したものの、12月に再発、各選手の区間が決まったのが大会1週間前だった。その影響に加え、4区に起用された清野も白石・高井の追い上げにペースを崩した。主将として迎えた最後の大会は故障に泣いた。